こんにちは。こちら、オーストラリア・シドニーのタロンガ動物園で撮影したコアラです。

この旅行は、東日本大震災のほぼ直後、息子の春休みを利用して行きました。大震災の後で、被災者の皆さんのことを考えると、心苦しい思いがありましたが、当時の我が家にとって、どうしても外せないものでした。息子が将来を考え、卒業後の進路を決めなければならない時期。

「失われた20年」が実は嘘だった、という海外からの見解もあるようですが、事実、日本で生活している私たちにとって、経済が低迷し、非正規雇用労働者が増加、就職氷河期と言われる時代が続いていたことは事実です。さらに、日本の経済がこのまま衰退の一途を辿る絶望的な状況であるかのような報道が長きに渡り続きました。

その結果、悲しいことに多くの子供たちが将来に希望が持てない、やりたい仕事が見つからない、という事態になりました。それは決して他人事ではなく、我が家の息子もそうでした。そんな中、息子には日本だけに囚われていないで、もっともっと広い世界があるんだよ、ということを肌で感じてほしいと思い急遽決めた海外旅行でした。

小学校から続けている英会話の勉強も兼ねて、現地での会話はほとんど息子に任せました。道行く人やお店の人に、バスの時間を聞いたり場所を聞いたり。様々なチケットの購入も全部任せました。

最初の日の夕食、ホテルの人が色々説明をしてくれているのに、まだ慣れていない私たちにはトンチンカンで、別の人に交代してもやっぱりわからない。困った顔をして厨房へ帰って行ったシェフの顔が忘れられません。(笑)

帰りの機内の電源が一瞬にして全て消え客席のモニターが一斉に起動画面に変わったときは、今何があった!? と生きた心地がしませんでした。でも、それも良い思い出です。急遽決めた旅行だったので、少ない予算での貧乏旅行になってしまいましたが、息子には確かに変化がありました。というより、前向きで明るい本来の性格に戻ったという感じでしょうか。

苦しいとき、現状を俯瞰できる場所へ一旦避難する。この手法は有効でした。